お礼 JAL航空教室

今年も、日本航空様による「JAL航空教室」を12月16日に本講講堂にて開催いただきました。
第1部は、ボーイング777の機長である末継大幸 様が、パイロットの仕事についてお話しくださいました。
第2部は、客室乗務員の飯原綾華 様が、サービス業務と保安業務についてお話しくださいました。
第3部は、韓国支店総務部部長の西村港 様が、子どもたちから事前に集めた質問について回答してくださいました。
それぞれの説明後、子どもならではの素朴でストレートな質問に、3人の講師の皆様にはしっかりと受け止めお答え頂きました。ご配慮に感謝申し上げます。

また、子どもたちに直接ご指導いただいた講師の皆様に加えて、ソウルからは韓国支店長 栗原宏和 様、日本からは国際路線事業部の喜多修渡 様、池田佳織 様にもお越し頂きました。師走のお忙しい中に、子どもたち一人ひとりの心に響く航空教室を開催いただき、厚く感謝申し上げます。今後とも、釜山日本人学校の子どもたちへのご指導ご支援をよろしくお願いいたします。

2019年12月17日

お礼 邦楽体験教室

左記「ニュース」にありますように、11月28日に邦楽体験教室を開催して頂きました。
来校されたのは、英 崇夫様、山上 朋代様、市原 均様、内田 道子様、胡 正寿様の5名の徳島邦楽集団の皆様です。全国邦楽合奏協会(藤本玲理事長)の事業として、今回の体験教室が実現しました。海外ではなかなか触れることのできない日本の伝統楽器に接することができ、子どもたちにとりまして貴重な体験となりました。
2日後には釜山市文化会館での演奏を控えておられる中に、本校児童生徒のために貴重な半日を提供くださり感謝申し上げます。

2019年12月05日

丸山総領事特別授業

釜山日本人学校教育課程の特色のひとつに、小学部1年生からの「教科担任制」があります。現在、日本では文部科学省中央教育審議会により小学校高学年での「教科担任制」導入が本格的に検討されています。背景には、英語の教科化、さらにプログラミング教育必修化などによる、指導者への専門的知識や技能の必要性があります。本校は小規模小中一貫校のため、結果的に文部科学省の方針を先取りするかたちとなっております。この「教科担任制」に加えて、本校には多くのボランティアの皆さんが特別授業を提供してくださり、子ども一人ひとりのよさを更に多面的にとらえることが日常的に図られています。

本日(11月27日)1時間目、特別授業に慣れてきた私たち派遣教員も驚く、在釜山日本国総領事館 丸山浩平総領事ご自身による特別授業を実施頂きました。対象は小学部第6学年、教科は国語科「書写」です。日本人学校は世界に95校ありますが、総領事による教科の授業はなかなか耳にしません。
王羲之の作品の紹介に始まり、東アジアの先人の作品が数多く紹介され、更に丸山総領事ご自身の作品も紹介されると、6年生達は感嘆の声をあげていました。その後の臨書しながらの追体験では、5人の子どもたちがそれぞれ総領事からの個別のアドバイスを頂くことができました。来週は、この体験を基に、自分だけの作品を完成させる予定とのことです。どんな作品が産み出されるのか、大いに楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

2019年11月27日

お礼 PTAバザー

釜山日本人学校PTA(河野洋平会長)は、毎年秋にPTAバザーを実施してくださっています。例年は11月の最初の日曜日に開催されていますが、今年は釜山国際花火大会との関係で10月27日(日)の開催となりました。
2019年度PTA活動説明会資料によりますと、PTAバザーの目的は以下の三つとなっています。
①校内関係者の親睦
②校外の皆さんへの感謝とお礼
③日本人学校入学対象児童とその家族へのPR
学校としては、どの目的も見事に達成されたPTAバザーとなり感謝しております。特に印象に残ったことに触れさせていただきます。

「①校内関係者の親睦」についてです。年度当初から実行委員会を組織し、実に計画的に準備を進めていただきました。そして、前日の土曜日からは、ほぼ家族全員体制で取り組んでいただきました。バザーのために、日本から応援に来て頂いているご家族の姿もお見受けしました。また、終了後は場所を移し、子どもたちや学生ボランティア(9人)、社会人ボランティア(3人)の皆さんも交えていっしょに親交を深めることができました。
「②校外の皆さんへの感謝とお礼」についてです。事前に、また当日にも多くの寄贈品や寄付をいただきました。PTAとともに学校からも心から感謝申し上げます。当日の来場者数は255人とここ数年では少なめでしたが、いつも応援してくださる近所の方々にもたくさんご来校頂き、子どもたちの姿をゆっくり見て楽しんで頂くことができました。今年は、保護者の皆さんや子どもたちが一人ひとりのご来場の皆様に丁寧に感謝の気持ちをもって接することができるバザーとなりました。また、10月7日に子どもたちに「対話」の機会をプレゼントくださった日本を代表する映画監督 是枝裕和氏からPTAが頂いたサイン入り色紙もしっかり活用させて頂きました。
「③日本人学校入学対象児童とその家族へのPR」についてです。当日、就学前のお子さんを同伴したご家族に多数お越し頂くことができました。本校イベント時のよさをしっかりと味わっていただけたと思います。また、11月6日に実施しましたオープンスクールにも4家族にご来校頂き、通常の授業の様子をご覧頂くことができました。おかげさまで、来年度の児童生徒数は更に増加しそうな勢いです。

今年も、多くの皆様の善意によりPTAバザーが盛況に開催されました。今後も三つの目的を大事にしながら、PTAバザーを続けて頂ければ幸甚です。
PTAの皆様、関係の皆様、ご参加頂いた皆様に心から感謝申し上げます。

2019年11月15日

お礼 是枝裕和監督来校

本ホームページ「ニュース」欄にありますように、今週月曜日(10月7日)、映画監督の是枝裕和氏が釜山日本人学校にお越しくださいました。

直前まで他の取材があったにも関わらず、到着後すぐにすべての教室の授業を参観してくださいました。是枝監督が教室に入られた瞬間の、子どもたちの「嬉しそうな」「驚いた」表情が、見ている側にも喜びを与えてくれました。是枝監督の韓国語版著書を持っていた生徒には、是枝監督の方からサインを提案してくださいました。

その後の講堂での「質問コーナー」では、手を上げた約10名の子どもたち全員に、具体的にていねいにお答えくださいました。子どもの頃の夢、大学時代の葛藤、親の願いへの対応、今までの作品への想い、家族のこと、俳優さん達への想い等々、子どもたちを見つめながら率直に語ってくださいました。素人ながら、そのお人柄が俳優さんやスタッフの皆さんを引きつけ、名作が生まれているのだなと感じさせられました。
是枝裕和監督の子どもたちへの愛情、さらに在外教育施設で学ぶ多様な子どもたちへのご配慮と心遣いを強く感じさせられた1時間でした。

その合間を縫って、PTAバザーの準備をされていたPTA役員さん達からの映画チラシへのサインのお願いにも快く応じてくださいました。準備したチラシだけでなく、わざわざ映画「真実」のチラシを車から持ってきてくださり、そちらにもサインしてくださいました。PTA役員の皆さん、講堂に集まった保護者の皆さんにとっても忘れられない時間となりました。

今回の学校訪問実現にご配慮ご尽力くださった株式会社分福 福間美由紀様、そして早稲田大学 土田環先生に心から感謝申し上げます。
是枝裕和監督の益々のご活躍、そして明日(10月11日)から公開される映画「真実」のご成功を祈念いたしまして今回のお礼といたします。

2019年10月10日

第44回運動会

本日9月25日午前中、本校運動場にて第44回運動会を実施しました。
今回の運動会は困難の連続でした。予定した会場からの突然の使用困難の連絡。代替会場を確保できたと思ったら台風17号の接近。結局、平日に小さな自校運動場での開催となりました。そのため、釜山日本人会としての運動会を兼ねることはできず、釜山日本人学校だけの運動会としての開催でした。

平日の運動会でしたが、多くの保護者の皆様にお越し頂きました。
さらに、在釜山日本国総領事館からは、丸山浩平総領事、中江新首席領事に、公務の隙間を縫ってお越し頂きました。丸山総領事からは閉会式で、子どもたちや保護者の皆様に困難を乗り越えたことに対する温かいねぎらいの言葉をいただきました。
また、津田裕史日本人会会長もお越しくださり、開会の挨拶にて、子どもたちを激励して頂きました。

今回はさらに、LSHアジア奨学会名誉会長 辛潤賛(シン ユンチャン)様が初めて本校にお越しくださり、子どもたちに激励の言葉を贈ってくださいました。NHK中田ディレクターはじめ取材クルーの皆様も同行されました。辛潤賛様は、故 李秀賢(イ スヒョン)さんのお母様です。李秀賢さんは日本留学中に、JR新大久保駅で線路に転落した日本人を救おうとして自らの命を失われています。LSHアジア奨学会は、李秀賢さんと同じ志をもった留学生を支援するためにつくられた組織です。
子どもたちの頑張る姿に、終始笑顔で声援を送ってくださいました。子どもたち、そして保護者の皆さんにとっても、記憶に残る運動会にして頂きました。

困難の連続、そして会場は狭くてご不便をおかけしましたが、温かみのある運動会を実施することができました。
保護者の皆様、関係機関の皆様に心から感謝申し上げます。

2019年09月25日

丸山総領事来校

秋夕あけの9月16日、在釜山日本国総領事館総領事 丸山浩平様が本校を訪問してくださいました。丸山総領事は今月初めに釜山に赴任され、各方面への挨拶が続かれるお忙しい中に、本校子どもたちのために時間をつくってくださいました。
すべての教室を参観してくださり、各教室で教職員や子どもたちに直接励ましのお言葉をくださいました。その後、講堂に集まった全校児童生徒に、授業に真剣に取り組む姿への高い評価等、多くの賞賛と激励のことばをいただきました。子どもたちそして教職員にとって忘れられない思い出になりました。

また、学校が抱える心配や課題についてお尋ねくださったことも、私たち教職員にとりまして大きな安心と励みとなりました。さらに、今週末の運動会についても、お気にかけて頂きました。総領事のご配慮に報いられるよう、教職員一同最善の対応を目指す所存であります。

お忙しい中のご来校とご高配に、釜山日本人学校一同心から感謝申し上げます。

2019年09月19日

進路講演会

第2学期が始まった直後の8月27日に、在釜山日本国総領事館 古村哲夫領事に来校いただき、進路講演会「海外からの高校受験で保護者としてやるべきこと」を開催しました。古村領事には平成29年度本校PTA会長を務めていただき、上のお子さんは本校から日本の高校に進学し、下のお子さんは本校から日本の中学校に進学しました。今回は、どのように我が子の受験に関わったかを、保護者の立場で体験談をもとに以下のような内容を中心に語っていただきました。
・長期休業中の情報収集や学校説明会への参加
・学校見学を依頼する際の留意点
・帰国子女枠の中身の違いの確認
・事前事後を含めた受験スケジュールの確認
・子どもとの情報共有の必要性と方法

昨年度は、宮城学園高校様、早稲田渋谷シンガポール校様、そして海外子女教育振興財団様にご講話いただきました。今回の古村領事のお話を受けて、受験生の保護者としての動きをかなり具体的にイメージして頂けたのではないかと思います。そのためか、講演後も何人もの皆さんから具体的な質問が続いておりました。

古村領事にはお忙しい中に、子どもたちのためにご来校頂き、厚く感謝申し上げます。

2019年08月29日

第2学期始業式あいさつ

児童生徒の皆さん、おはようございます。
皆さんが元気に集まり、令和元年度釜山日本人学校第2学期始業式を行えることを大変うれしく思います。第2学期も、1学期終業式のときと同じ小学部中学部会わせて33人でのスタートです。

今日から、日本の大学生の皆さんがインターンシップに来てくださっています。伊本日向子先生(日本女子大学)、カン ユンジョン先生(東京学芸大学)、金行葵衣先生(岡山大学)の3人の皆さんです。伊本日向子先生は2回目、カン ユンジョン先生は3回目の来校となります。金行葵衣先生は本校で初めてのインターンシップです。
若い大学生の先生方にとっては、在外教育施設で直接体験出来得る貴重な機会です。失敗を恐れず、専門のことはもちろん、専門以外のことにもチャレンジしてほしいと思います。
また、本校児童生徒の皆さんにとっては、身近な先輩と接する貴重な機会です。中学部3年生とは、ちょっとしか年齢は違いません。普段ベテランの先生には聞けない質問等をしてみたらどうでしょうか。

さて、9月後半には、第44回運動会が開催予定です。今のところ、昨年同様に日韓両方のご来賓の皆様、そしてYMIS(青少年多文化国際奉仕団)の生徒達もたくさん来てくださる予定です。ニュース・新聞等を見ている人は知っていると思いますが、現在日本と韓国の政府の信頼関係が複雑化しています。その影響で、この夏は日韓関係のいろいろな行事が中止となりました。一方、両国の多くの人々が、政治が上手くいっていない時こそ、一人一人の国民同士は仲良くすべきだとの意見が強まっています。したがって、学校としては現時点では予定通り、運動会の準備を進めていきます。

ただし、海外に住む皆さんですから分かっていると思いますが、これから運動会までの間に安全上大きな変化があったら、中止または大幅な変更があり得ます。これは、理解しておいてください。低学年の皆さんにはちょっと難しい話だったかもしれません。高学年や中学生で、意見や質問があったら何時でも校長先生や担任の先生に相談してください。

2学期、さまざまな課題を乗り越えて、皆さんが更に「明るく・正しく・たくましく」成長することを期待して、始業式のあいさつとします。

2019年08月28日

釜慶大学校見学

2019年7月22日、本校教職員7名で、「釜慶大学校(プギョンデハッキョ)」を見学に行ってきました。韓国にいながらなかなか韓国の教育機関を直接見学に行く時間がない文部科学省派遣教員にとっては「現地教育事情」を知る貴重な研修の機会となりました。

国立「釜慶大学校」は、1996年に「釜山水産大学校」と「釜山工業大学校」の2校が統合され発足した総合大学です。「釜山水産大学校」の前身は、1941年に朝鮮総督府が創設した「釜山高等水産学校」です。「釜山工業大学校」の前身は、1924年に創設された「釜山公立工業補習学校」です。1996年、この2校が合併協議を経て統合し、国立の「釜慶大学校」が発足しました。
さて、今回の大学見学が実現したのは、釜慶大学校日語日文学部 孫東周(ソン ドンジュ)教授のお計らいによるものです。孫東周教授は、釜山韓日文化交流協会理事長も務めておられ、在釜山日本国総領事館とともに「日本語スピーチ大会」「日本歌謡大会」等、韓国と日本の文化交流の充実に尽力されています。

今回私たちが見学したのは、旧水産大跡地に立地している「釜慶大学校大淵(デヨン)キャンパス」です。大学本部にて孫東周教授にお迎えいただき、その後日語日文学部2年生の学生さんによるキャンパスツアーを実施いただきました。大学本部を出発し、図書館、体育館、講堂、学生寮と校内を移動し、水産学科に到着しました。台風一過のとても蒸し暑い日でしたが、救いは何と言っても釜山で唯一平地にある大学ということでした。水産学科では、校舎の中も見せていただきました。特に、博物館には結構長居してしまいました。理科に熱心な先生たちが、シーラカンスのはく製等からなかなか離れてくれませんでした。

最後に、孫東周教授の研究室がある人文社会経営館にお邪魔しました。ここでは、孫東周教授と金ヒョンジョン国際交流コーディネーターが最近の状況や力を入れている研究について説明してくださいました。
金コーディネーターからは以下の内容を説明いただきました。
・釜慶大学校の現在の留学生は約1600名。
・1600名の内の400名は語学目的。
・現在の留学生の国別内訳は、1位が中国、2位がベトナム、3位に日本とミャンマー。
孫東周教授からは以下の内容を説明いただきました。
・本大学校は、釜山大学校とともに釜山に位置する国立の総合大学である。
・孫東周教授が現在最も力を注いでいることのひとつが「釜慶大学人文韓国プラス事業団」第3年次の研究推進である。
・本事業団の研究テーマは「東北亜海域と人文ネットワークの力動性研究」である。
・本事業団は「地域人文学センター」としての役割を有し、研究成果を学生や一般市民にも積極的に発信している。

説明の中で、秋に大学所有の実習船船内見学等の催しがあるので、日本人学校の子どもたちにも是非多数参加してほしいとのご招待をいただきました。詳細が届きましたら、各ご家庭にお届けいたします。今度は、子どもたちにとって貴重な体験の機会になればと思っております。

釜慶大学校の皆様、暑い中に長時間対応いただき心から感謝申し上げます。

2019年08月02日

「広安里」7月号から

ナザレ園訪問に学ぶ
釜山日本人学校 校長 長 信宏

釜山日本人学校にとって、ナザレ園訪問は最も大切な行事のひとつです。今年は、6月21日に児童生徒と教職員全員で、慶州ナザレ園を訪問しました。ナザレ園は、太平洋戦争や朝鮮戦争の混乱のなかで、日本への帰国の機会を失った日本人女性を保護・支援するためにつくられた施設です。園長の宋美虎(ソン・ミホ)先生からお聞きした話では、かつてこの施設から147名の方々が日本に帰国されたそうです。ただ、皆さんご高齢となり、この38年間は帰国した方はおられず、終の棲家としての役割が高くなっています。現在は身寄りを失うなどした9人の方々が静かに暮らしておられます。平均年齢は95歳。認知症や寝たきりの人も多いとのことで、交流会に参加できる方は3人です。お昼のお祈りの時間をいつもより早めていただき、午後2時からの発表会開始でした。客席は、日本人女性だけでなく、同じ敷地内にある施設で生活している韓国人高齢者の皆さん、そのお世話をしているスタッフの皆さんで満員でした。小学部・中学部の子どもたちが、それぞれ出し物を披露した後、子どもたちがおばあさん方の近くに行き、手遊び交流を行いました。嬉しそうに歌に合わせて手や身体を動かしてくださる方、子どもの手を取って離さない方、子どもとのおしゃべりに夢中になっている方等々、密度の高い幸せな空気に包まれた時間でした。最後に、子どもたち全員で韓国童謡「コヒャンエポム」と日本唱歌「ふるさと」を合唱しました。アンコールを求めたおばあさん方がいっしょに歌われる姿に、歴史は過去ではなく現在そのものだと感じさせられました。また、子どもたちの持つエネルギーと可能性が、固定概念や未来を変えうると実感させられた瞬間でもありました。

釜山日本人学校では、慶州訪問本番の一か月前の事前確認の際、教職員がナザレ園納骨堂を訪れ清掃と慰霊を行うことが伝統となっています。ナザレ園納骨堂は、慶州中心部から40分ほどの港町、甘浦(カンポ)に位置します。納骨堂の存在を示す道路表示等はまったくなく、個人ではなかなかたどり着けない場所です。日本人学校に赴任したばかりの文科省派遣教員には、ここを訪れ、日韓の歴史の変遷を肌で感じてもらうようにしています。お墓からは日本海が臨まれ、その向こうは日本へと続いています。正面の石碑を見ると、この地で人生を終えた皆さんの想いがしのばれます。

過去に勤務していました日本人学校でも、ここ釜山と同様にその地でしか仕組めない授業が行われていました。ニューヨーク日本人学校はユダヤ人学校と敷地・校舎を共用していましたので、ユダヤ人大学教授から日本人学校児童生徒に特別講演を行っていただきました。シルビア・スモーラー博士の、杉原千畝外交官から発給された通過ビザでシベリアそして日本の敦賀を経てアメリカに脱出した話に、子どもたちが目を輝かせて聞き入っていた姿が忘れられません。また、バンコク日本人学校では、子どもたちとバンコク北部のアユタヤを訪れました。日本人町の跡地に実際に立ち、山田長政像に接し、教科書に載っている南シナ海を小さな船で渡った先人の知恵と勇敢さを肌で感じることができました。

令和元年度第1学期は、7月19日で終業いたします。第2学期は8月26日の始業となります。2学期も子どもたちの「自己肯定感」を更に高められる授業や行事を積極的に実施していきたいと考えております。引き続き、関係機関の皆様、保護者の皆様のご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

2019年07月19日

手紙

修学旅行から帰ってきた中学生がお世話になった方々にお礼の手紙を出しましたところ、丁寧な励ましのお手紙を頂きましたので紹介します。

拝復 梅雨らしくなってまいりました今日この頃です。先日は皆さんの手紙を読み、少しはお役に立てたのかなと嬉しく思っています。
中学部3年生の〇〇君、〇〇さん、〇〇さん、2年生の〇〇君、〇〇君、1年生の〇〇さん、丁寧なお礼状をいただき、有り難うございました。みなさんの心温まる言葉を読みながら、牛像の由来や飛梅の句の意味、さらには、九州国立博物館での熱心な質問や意見など、修学旅行の目的をしっかり学び理解されている姿を思いだし、改めて感心致しました。
また、食事の場では、和気あいあいと談笑しながら、旅を心から楽しんでいる姿に、微笑ましさを感じ、同時に釜山日本人学校での平素の態度や行動がよくわかりました。支え合い、学び合う姿は、周囲から見ていても心を和ませてくれます。
また、先生方の指導に機敏に対応している姿は、日々の学校生活でいかに先生方との信頼できているかを実証していました。先生と生徒が一つになった中学部だなと感心しました。
本当に楽しく有意義な時を過ごさせていただき、有り難うございました。
これからますます暑くなります。みなさん、お体には充分に気をつけられ、勉学に体力向上に励んでください。また、お会いできますこと、楽しみにしています。 敬具
釜山日本人学校中学部の皆様                                           矢木信男

 

この手紙をくださった矢木信男先生は、今回の中学部修学旅行で、上野嵩良氏(太宰府天満宮OB)とともにボランティアとして、「令和」時代を迎え注目の太宰府天満宮を案内くださいました。
ロンドン、カラカス、高雄の日本人学校、トロントの補習授業校にて勤務された経歴をお持ちです。その豊富な経験を、『イギリスのそよ風にのって』(葦書房)、『カリブの風にのって』(葦書房)、『台湾 緑の風にのって』(ぎょうせい)として出版されています。
矢木信男先生、本校子どもたちのよさを褒めていただき感謝申し上げます。

2019年07月08日

慶州ナザレ園訪問

6月21日、児童生徒と教職員全員で、慶州ナザレ園を訪問しました。
韓国釜山に位置する釜山日本人学校にとって、この訪問は最も大切な授業のひとつです。
小学部・中学部両方の子どもたちが、休み時間等をやり繰りしながら歌や演奏の準備を進めてくれました。
低学年の子どもたちにとってこの訪問の意義を今は深く理解できなくても、いつの日か日韓の歴史に関わる場所を訪れたことの大切さに気づいてくれると期待しています。
今回の訪問には、在釜山日本国総領事館 鎌田領事と、西日本新聞 前田記者も同行くださいました。以下は、前田記者の記事の一部引用です。

韓国の釜山日本人学校の子どもたちと一緒に、慶州市にある在韓日本人妻の福祉施設「慶州ナザレ園」を訪れた。開設から半世紀近く。太平洋戦争前後に朝鮮半島出身の男性と結婚して海を渡った後、身寄りを失うなどした9人が静かに暮らしている。平均年齢は95歳。認知症や寝たきりの人も多い。35年以上、入所者に寄り添ってきた宋美虎(ソン・ミホ)園長は「苦労した分、残りの人生は楽しく暮らしてほしい」と温かく見守る。交流会に参加した入所者は3人だけだったが、小学1年~中学3年の34人と一緒に歌ったり、手遊びをしたりして触れ合った。(後略)

大切な行事に寄り添っていただき、厚く感謝申し上げます。
今後も、この訪問を大事に続けさせていただきます。

2019年06月28日

平成31年度始業式

4月11日に始業式を行い平成31年度がスタートしました。本年度の釜山日本人学校在籍数は、小学部30名、中学部6名、計36名となります。政治的には難しい状況が続いておりますが、関係の皆様のご尽力のおかげで、いわゆる「駐在家庭」の編入学はほとんどない中、児童生徒数は2年前よりプラス10名の状況が維持できております。

さて、5月から新元号「令和」になりますので、4月中は何もかも「平成最後」と称されます。始業式も入学式も「平成最後」となり、ちょっと寂しいような心境になるときもあります。韓国社会では西暦が常用されていますので、入学式等にお越しくださる韓国の皆様にとっては「元号」を新鮮に感じていただけるようです。釜山日本人学校も新元号を迎える本年度、更に一層の教育活動の充実を図る所存です。
皆様のご協力ご支援を、引き続きよろしくお願いいたします。

2019年04月15日

第43回卒業式 式辞

式辞
校庭の桜が開花準備万端となり、春の到来の喜びを感じます。この佳き日に、在釜山日本国総領事館総領事 道上尚史様はじめ、多くの日本・韓国の関係者の皆様にご臨席いただき、第43回釜山日本人学校卒業証書授与式を挙行できますことを心から感謝し、お礼申し上げます。

ただ今、卒業証書を授与された卒業生の皆さん、卒業おめでとう。
小学部卒業の○○さん。放送委員としての活動など小学部最上級生として学校を盛り上げてくれました。○○さんは、いったん北海道の中学校に進学します。ただ、短い期間のうちにまた海外の学校に転校する予定と聞いています。明るい○○さんですから、変化の連続でもしっかり乗り切ってくれると確信します。
同じく小学部卒業の○○さん。○○さんは昨年2学期初めにインターナショナル校から転校してきました。努力家の○○さんはあっという間に日本人学校の生活に慣れ、新しい風を学校に運んでくれました。○○さんは本校中学部への進学です。
中学部唯一の卒業生、○○君。多くの活動で、ただ一人の中学3年生として下級生たちの動きをサポートしてくれました。決して出しゃばらず、しかし、後輩をしっかり支えている○○君の姿からは、先輩としてのやさしさが醸し出されていました。今回の受験での経験を、後輩に伝えてくれているのもそのひとつです。進学先は千葉県の高校です。高校の校長先生から、海外経験、しかも今の時代に日韓両方の言語・文化を体験した新入生が入ってくれるのを嬉しく思うとの言葉を頂いています。自分の夢の実現とともに、高校にもしっかり貢献してくれることを期待します。

さて、本日は、釜山芙蓉会(國田房子会長)関係の皆様にもご臨席いただいております。毎年秋に、釜山市公園墓地にて芙蓉会主催の日本人慰霊碑のお墓参りがあります。関係の皆様が、ここ釜山でお亡くなりになった日本人先人のお参りをされます。その際に、もうひとつ300メートルほど離れたところにあるお墓にもお参りします。そのお墓は、2001年にお亡くなりになったここ釜山出身の李秀賢(イ スヒョン)さんのお墓です。日本に留学していた李秀賢さんは、2001年1月26日、東京のJR新大久保駅で、線路に転落した日本人を助けようとしてお亡くなりになりました。この出来事を約20年前にニュースで見た記憶があります。しかし、ここ釜山に赴任しお墓参りに加えていただくまで、記憶からほとんど消えてしまっていました。在釜山日本国総領事館では、この崇高な精神に敬意を表し、定期的な参拝や追悼行事への支援を継続されています。
また、李秀賢さんのご両親は、本校からすぐ近くの海雲台にお住まいです。最愛のわが子を失ったときのご両親のお気持ちを考えると、いたたまれない思いになります。日本を嫌いにならないのでしょうか。日本の話題には触れたくなくならないのでしょうか。しかし、以前お会いする機会があり、その時、まったく違う言葉をいただきました。「今、日本人学校にはどれくらい子どもたちがいますか」「息子が好きだった日本のお子さんがいる日本人学校に行って、子どもたちに会いたいです」等のことばをいただき、胸が熱くなりました。

卒業生の皆さん。新たな場で、志半ばでこの世を去った李秀賢さんの分までしっかり学びましょう。韓国そして日本両国の良さを自分の体験を通じて周りの人に伝えましょう。このことは、実は皆さんにしかできないことなのです。ここ釜山に暮らし、釜山日本人学校で学んだことを誇りに次の世界にてますます活躍することを期待します。

保護者の皆様・ご家族の皆様に申し上げます。
お子様のご卒業おめでとうございます。
担任をはじめ教職員一同、全力で子どもたちの成長に寄与すべく奮闘してまいりました。しかしながら、まだまだ不十分なことも多かったことと思います。教職員を最後まで信頼しご支援いただいた皆様のご高配に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

卒業生の皆さん。新たな活躍を期待しています。
卒業生に幸多かれ。

平成三十一年三月十四日
釜山日本人学校 校長 長 信宏

2019年03月19日

새해 복 많이 받으세요

皆様、新年おめでとうございます。
昨年中は、釜山日本人学校の子どもたちのために多くのご指導ご支援をいただき、感謝申し上げます。本年もよろしくお願いいたします。

保護者の皆様のおかげで第2学期も教育活動の一層の充実を実現することができました。すぐに脳裏に浮かんでくるだけで、「ハンバダ中学校での晴雨対応運動会の開催」「YMIS(青少年多文化国際奉仕団)との交流」「進路説明会の複数開催」「400名が集うPTAバザー」「受験対策講座の開設」「日本各地の大学からのインターシップ生の来校」等々、枚挙にいとまがありません。

12月に実施しました学校評価保護者アンケートにおいても、「教職員について」では100点換算で94ポイント(昨年89)、「学校経営について」では86ポイント(同76)と、全体的には昨年以上に高い評価をいただいております。昨年かなり辛口であった「お子さんについて」でも78ポイント(同70)となっております。なお、本アンケート概要は2月9日第2回PTA総会時にて説明予定です。

このような伸びが可能となっているのは、道上尚史総領事をはじめ在釜山日本国総領事館の皆様、津田裕史会長をはじめ釜山日本人会の皆様、日韓関係機関の皆様、そして保護者の皆様のご支援ご指導のおかげです。教職員一同、このことをしっかり受け止めながら受験の学期かつまとめの学期である3学期の教育活動を一層充実させる所存です。

3学期もよろしくお願いいたします。
2019年01月15日

お礼 日本航空航空教室

先週金曜日(平成30年11月23日)、本校講堂にて、日本航空様による航空教室が開催されました。
前半の「おもてなし講座」を担当頂いたのは、宮原あゆみ様と片山佳恵様。福岡空港支店からお越しくださいました。参加した子ども達の心、そして保護者の皆さんの心を温かくしてくださったお二人の「おもてなし」に感謝申し上げます。
後半の「折り紙ヒコーキ」を担当頂いたのは、キム ヒョナ様と丸田真司様。釜山金海空港支店に勤務しておられます。終わった後でお聞きしたのですが、キム ヒョナ様にとっては実際に子どもたちの前で指導するのは今回が初めてだったそうです。初めてとは思えない、落ち着いて丁寧な話しぶりに感服しました。ありがとうございました。

子どもたちに直接ご指導いただいた皆様に加えて、韓国支店支店長 栗原宏和様と総務部長小岩弘典様には、わざわざソウルからお越しいただきました。また、金海空港支店からは、総務担当のチョウ インスン様とキム ムンギョン様にもお越しいただきました。お忙しい中にお越しいただき、ありがとうございます。

子ども達一人一人の心に響く航空教室を開催いただき、厚く感謝申し上げます。今後とも、よろしくお願いいたします。

 

2018年11月27日

民楽小学校との職員研修

先週木曜日(H30年11月22日)の放課後、子どもたちを見送ってから教職員全員で民楽小学校に向かいました。民楽小学校は、ISB(International School of Busan)※と本校の三校で行っている文化交流会等でお付き合いがある、子どもたちにとってもなじみのある学校です。
年に一回、本校と民楽小学校の二校の職員で研修会が行われており、今年は民楽小学校を会場に行われました。今回は、民楽小学校側の企画で、民楽小学校に設置されている最新鋭のレーザープリンター等を活用して、日韓の先生で編成された少人数グループでの「ものづくり」でした。とはいっても、実際は民楽小学校の機器に精通した若手の先生方のお世話になりながら、日本人学校の先生たちが一生懸命ものづくりをするという内容でした。
会議をするだけでは得られない不思議な連帯感が生まれた研修会でした。
ジョン ムンス校長先生はじめ、今回の研修会に参加いただいた民楽小学校の先生方に感謝申し上げます。

民楽小学校には、今回活用させていただいたレーザープリンター以外に、3Dプリンターも10台ほど設置されていました。日本では、小学校はもちろん中学校でもほとんど見ることのない機器を目にして、釜山広域市の教育にかける情熱を強く感じさせられました。
今回いただいた多くの刺激を糧として、今後の釜山日本人学校教育のハード面、ソフト面の一層の充実に知恵を絞る所存です。
※インターナショナル校は、正式名称をBIFSから上記のISBに変更しました。
2018年11月26日

大学修学入学試験

本日(11月15日)は、朝から韓国全土で修能(スヌン)「2019年度大学修学能力試験」(日本のセンター試験に相当)が実施されています。そのため、朝の通勤時も車が少なく、日本人学校周辺はいつもよりとても静かに感じられます。
午前10時頃、用件がありハンバダ中学校のジョン校長先生を訪ねました。ちょうど同校の生徒たちは時差登校しているところでした。今日は休校になっている学校も多いそうです。
午後の英語のリスニングが行われる時間帯には、航空機の離発着が禁止されるそうです。受験が少しでもよい環境で行われるように国を挙げて協力体制をつくっているのがうかがえます。

本日、韓国全土約1200カ所で受験した約60万人の受験生の幸運を祈念いたします。
2018年11月16日

お礼 釜山外国語大学校

本ホームページ「ニュース」でも紹介されましたとおり、先日中学部の生徒たちは、釜山外国語大学校を訪問し、たくさんの貴重な体験を積ませていただきました。
なかでも、釜山外国語大学校 鄭起永 総長自ら、中学生のために時間をつくり生徒たちに直接ご自分の体験や研究について語ってくださいましたのは、私たち全員にとって、思いがけない大きな感激でした。 
特に、米国のプリンストン大学で教鞭をとっておられたときの子育てのお話は興味深いものでした。当時就学年齢だった上のお子さん二人は、米国の学校に在籍させていたそうです。そこまでは、日本人帰国子女でもよくある選択です。その後の話が意外でした。月曜日から金曜日は米国の学校に通いながら、週末はプリンストン日本語補習授業校に通わせ、日本語を学ばせていたそうです。プリンストン補習授業校は、日本人学校と補習授業校の違いはありますが、釜山日本人学校と同じく日本の文部科学省に認可された在外教育施設です。このときの、平日昼間は英語中心、週末昼間は日本語中心、そして自宅では韓国語中心の生活が、お子さんのその後にとってとても有益な体験となったと、中学生たちに熱く語ってくださいました。さらに、ご自分の受験での失敗体験と成功体験、メタ認知に基づいた学習方法、親子の会話の大切さ等々、親身になって子どもたちに語りかけてくださいました。

今回いただいたお話は、現在「外国」での生活を「余儀なく」されている子どもたちにとって、自分たちの今と将来をより客観的に見つめる貴重な機会になったと思います。総長としてのお忙しいスケジュールの中に、他国の中学生のためにお時間をつくってくださった鄭起永総長の教育者としての寛容さと愛情に、心から感謝申し上げます。
2018年10月30日

釜山国際映画祭

先週の木曜日(10月4日)から、学校から車で約10分の映画の殿堂をメイン会場に、第23回釜山国際映画祭が開催されています。今年は、開会式で音楽家の坂本龍一氏が「今年のアジア映画人賞」の表彰を受けました。「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」そして今回上映された日韓中合作の「マイ ティラノ」はじめとする功績に対して贈られた賞とのことです。レッドカーペットを錚々たるスター・監督・プロデューサーが大歓声の中を歩んだ直後、急におとずれた静寂の中での坂本氏の約10分のピアノソロ演奏は圧巻でした。

また、開会式には、坂本氏以外にも、日本からの映画関係者が多数参加し、韓国のマスコミに大きく取り上げられています。日本映画の人気はとても高く、入場券はほとんど売り切れで手に入りません。

 

日本人学校のすぐ近くで、アジア最大級の映画祭が開かれ、そこで日本関係者が高く評価されているのは、嬉しい限りです。子どもたちにとっても、大きな刺激となっていることが感じられるこの頃です。

2018年10月11日

岡部友さん来校

先週の金曜日(9月28日)、プロフィットネストレーナーの岡部友さんにお越しいただき、体育特別授業を実施していただきました。岡部友さんが学校の玄関に入られた瞬間から、校内が華やかな雰囲気に包まれました。岡部さんをお待ちしていた子どもたちはもちろん、保護者の皆様の表情も柔らかな笑顔が一気に増えたことがとても印象的でした。

特別授業の様子は本ホームページ「ニュース」にあるとおりです。実は、特別授業の終わった後も、子どもたちとの写真撮影やサインに応じてくださり、申し訳ないくらい一人一人に丁寧な心遣いをいただき、厚く感謝申し上げます。

寄贈いただいた著書「筋トレが折れない私をつくる」にありますように、子どもたちに「前の自分より少しずつ良くなっていること」「目標や目的に他者が入っていない」ことを実感させていただいた特別授業でした。

岡部友さんが子どもたちの心と身体に残していただいた「折れない私」の芽を、私たち釜山日本人学校教職員全員で大切に育てていきます。

ハードスケジュールの中にお越しいただき、本当にありがとうございました。

釜山日本人学校一同、ますますのご活躍を期待し応援しております。

 

2018年10月02日

東京学芸大学生来校

今週の月曜日(9月3日)、東京学芸大学多文化共生コースの大学2年生6人が本校を訪れました。1時間目に本校概要等の説明を受けた後、2時間目から4時間目の授業に入り、そして昼食の時間まで、子どもたちと過ごしてくれました。以下は、学生さん達からいただいた感想等の一部です。近い将来、日本国内そして在外教育施設で活躍されるようになったとき、釜山日本人学校での経験が役立てば幸いです。

 

Aさん

少人数ならではのよさがたくさん感じられた見学でした。生徒も先生も全校生徒の顔と名前を知っていて、誕生日の子がいるクラスに全員で行ってお祝いしたり、すれ違った先生が学年関係なく生徒に声をかけていたりしたのが印象的でした。授業でも、日本の小学校よりも学級の人数が少なく一人あたりに目を向けられる時間が長いのがいいなと思いました。一方で、少人数ならではの大変さも感じました。先生方は空きコマなく授業をされていて、その合間に宿題のチェックや事務作業をされていて、とても忙しそうでした。

大規模日本人学校と違い、現地校との交流や、総合的な学習の時間を用いての韓国語の授業が、日本人学校の良さを活かしていてせっかく韓国に来ているならという保護者の意向に学校側が叶えられているのが良いなと感じました。

 

Bさん

音楽の授業で和太鼓を取り入れてることが、少人数ならでは。和太鼓は楽譜がないため、前年の子が指導の中心となっていた。和太鼓の「鼓動」が佐渡にあり、彼らのVTRはYouTube等でみれるため、ぜひ一度生徒達にみてほしい。校門の開閉など、セキュリティがしっかりしている。ただ、他校ほどではないと感じた。他校では警備員常在であり、また狙われないためにスクールバスの時間を不定期にしていた。給食は無く、基本お弁当だと知った。親と先生との距離も近く、生徒の発達を見守る上でとてもいい。釜山日本人学校は、他の現地校との交流があったりして、現地の子供達との関わりがある。

生徒1人当たりに対しての頭数は充分かもしれないが、業務に対して先生の数があまりにも少ない。頭数を増やすか、業務を縮小するかしなければならない。韓国のみならず、世界にある日本人学校で言えることだが、日本人学校の学費をもっと安くしたい。ダイアンドモンドブリッジにも近く、立地が最高。誕生日を全校生徒で祝う習慣や、生徒の出身地ボードなど、少人数を生かした企画が多く、全校生徒皆の繋がりが強いのがいいと思った。アットホームな空気感。

(○○ちゃんの先生へ:素敵なプログラムを組んでいただき、ありがとうございます。貴重な機会となり、この経験や感じたことを、次に繋げていけるよう努めます。これは、現地にいらっしゃる、○○ちゃんや先生のご協力なしには経験できません。本当にありがとうございます。私も、もっと人とのつながりを大切に生きたいと強く感じました。また、釜山に来たいと思います。)

 

Cさん

実際に授業を見学して、日本の公立学校との違いなどを発見できたのは非常に貴重な経験でした。ありがとうございました。その違いの中で、特に印象的だったのは、少人数を活かした教育でした。私は、英語(中1)と国語(小3)の授業に入りましたが、どちらも生徒一人ひとりに発表や意見表明の機会があり、さらにその意見一つ一つを先生が拾うことができていて、少人数ならではで素晴らしいと思いました。しかし、少人数故に大勢の前に立って発表するという機会はあまりなく、それを補うために英語の暗唱発表があると伺いました。ほとんどの生徒が日本に帰国するということで、日本の公立学校に戻った時も想定されていて良いと思いました。こういった少人数制は、先生の負担が大きいとは思いますが、個々の生徒をフォローするという点では、今後日本で教師になる上で参考にしたいです。

また、生徒の英語のレベルが日本の同学年のそれよりもかなり高く驚きましたが、その差が生じる要因などを探求してみたいと思いました。そういった高い英語レベル、外国に住んでいるということを強みに生徒たちは今後の人生を生きていけるのではないかと改めて思いました。

 

Dさん

大規模日本人学校に行ったことがある。もちろん現地語の授業が週一回あるとか、現地校との交流はあるものの、かなり閉鎖的な空間であったし、日本よりも日本らしい学校であった。一方、釜山日本人学校は少人数であるので柔軟性があり、対外的な交流、釜山にあるという特性を生かした交流が多くあると伺った。確かに、職員室への入り方など、かなり日本らしいと感じる点もあったが、日本における先生と児童生徒間の距離のある雰囲気が一切なく、アットホームな雰囲気だった。日本人学校は児童生徒の出入りが激しいが、私たちをすぐに歓迎してくれたように、新しい児童生徒が来ても安心して通える環境であると感じた。

もちろん先生の数も少人数であるのでかなり負担が大きいのは感じた。専門外の教科の指導を始めとして、最大で3年しかいられないので慣れる前に異動になってしまう、また、道徳などの教科もあるため、授業準備の時間や課外活動の準備など、かなり忙しそうであった。今回、道徳の授業も参加させていただいたのだが、よく知った先生、友達とやるからか、児童に若干の気恥ずかしさが見られた。少人数の教室では学べないことも題材として取り上げなければいけないので、なかなか授業構成も大変だと感じた。私は1学年100人以上いる学校でしか過ごしたことがないので、1学年数人しかいない日本にある小規模校の実態についても興味をもった。

 

Eさん

今回訪れたプサン日本人学校は、以前行かせて頂いたアジアの補習授業校に似たものを感じた。どちらも小中一貫で全校生徒は40名前後、教師の数が足りていないという共通の課題もあった。この補習授業校では、その課題への対策として、親が教師となり、個人で製作した教科書を用いて勉強しており、日本の公立校におけるPTAが大きく学校の運営に干渉しているという状況だった。ただ、日本人学校は一条校に準ずる扱いの学校であるため、教科書は検定済みのものでないといけないし、教師は教員免許が必須なので、教員不足を保護者で補うことは出来ない。

そのため、教師をより募集する他にその問題を解決する方法はないと考えられる。日本国内でも教員不足が問題視されている今、文部科学省が行っている、大学の教員養成課程の削減は行われるべきではないと考えた。

この問題は、国の財政面において、教育界のみの問題ではないだろう。教育面にかける費用を減らすことには反対だ、と今回改めて思ったし、現地の教員不足は想像以上に深刻であるとわかった。

 

Fさん

・私にとっても貴重な体験となりました。

・日本人学校を目指して、教員免許の取得に頑張りたいと思いました。

2018年09月06日

先生たちの自由研究

本ホームページ「ニュース」にありますように、8月27日から第2学期が始まりました。課題であったトイレも全面改修され、残暑の中にも気持ち良い学校生活を送れております。関係の皆様のご尽力に心から感謝申し上げます。

さて、子どもたちの自由研究のいくつかが校内に展示されておりますが、先生たちも夏季休業期間に普段はできない自由研究(校外研修)を体験することができました。7月23日には、先生たちと民楽小学校のサマースクールを見学に行きました。民楽小学校とは毎年文化交流会を続けているわけですが、授業を見る機会はなかなかありませんでした。今回、ジョン・ムンス校長の計らいで、民楽小学校サマースクール(三日間)の第1日を参観させていただきました。

ジョン校長に最初に案内されたのは算数の授業でした。授業を行っているのは民楽小学校の先生、受けているのは希望者の中から抽選で選ばれた15人ほどの児童でした。いわゆる「補充的な」授業ではなく、グループを編成し、数学的思考を必要とするゲームに興じるというプログラムでした。まず、算数を好きになるということに主眼がおかれていると感じられました。国語(韓国語)の授業では、指導者が釜山教育大学の学生でした。教育実習の一部という意味合いもあるとのことでした。新鮮な緊張感のある雰囲気でした。英語の授業は、English Zone と呼ばれる特別な空間(2教室あり)で行われていました。English Zoneと書かれたゲートをくぐると世界地図や世界の時間の掲示や装飾など、英語を使う(話す・読む等)雰囲気が醸し出されていました。これらの施設や掲示などは教員の手作りではなくこの施設に300万円の予算がつき、その予算でリフォームされたそうです。もちろん、ネイティブスピーカーも専属で配置されていました。このことからも韓国の英語教育に対する積極さがうかがえました。

他にも、最先端のレーザーカッターが設置された技術室、ピアノ個別レッスン室が4部屋併設された音楽室等、釜山市の教育環境充実への熱意に驚かされ続けの自由研究(校外研修)となりました。規模は大きく異なりますが、本校も小規模校なりの充実を図りたいと、職員一同決意を新たにさせられました。

東ヨーロッパ視察を直前に控えながら、2時間近く対応いただいた民楽小学校 ジョン・ムンス校長に厚くお礼申し上げます。

 

2018年09月04日

第2回 学校説明会のお礼

二週間前の高校説明会に続いて、今年度2回目の学校説明会が、今週月曜日(6月25日)に開催されました。今回は、早稲田大学系属早稲田渋谷シンガポール校入試広報部長 倉橋友住様に本校にお越しいただきました。前回は日本の帰国子女受け入れ校、今回は海外にある私立在外教育施設(高校)による説明会となりました。

倉橋様は、アジア地区を中心に、多い時は一年間に約30校の日本人学校等に出かけて学校説明会を行っておられるとのことでした。その多くが、大規模・中規模校であるわけですが、今回は無理を承知で、小規模校である本校からご相談したところ、来校を快諾いただきました。

すばらしい校舎や寮、そして活気あふれる高校生の写真を交えた倉橋様の説明に、小学5・6年生と中学生たちは熱心に聞き入っていました。学校の説明に加えて、2020年度からの大学入試改革、それにともなう高校入試等の変容にも触れてくださいました。「答えがひとつでないこと」「自分で考えること」「文章で書けること」等の示唆は、子どもたちだけでなく、保護者の皆様にも強烈に印象付けられたようでした。

ハードスケジュールの中を、ソウルと釜山を日帰りでお越しいただきました。また、説明会だけでなく、私たち教員にも、帰りのKTXの時刻ぎりぎりまで多くの情報を提供いただきました。ご高配に心から感謝申し上げます。

2018年06月28日

慶州ナザレ園訪問

釜山日本人学校にとって、ナザレ園訪問は最も大切な行事のひとつです。今年は、先週末の金曜日、子どもたち38名とともに、慶州(キョンジュ)のナザレ園を訪問しました。

ナザレ園は、太平洋戦争や朝鮮戦争の混乱のなかで、日本への帰国の機会を失った日本人女性を保護・支援するためにつくられた施設です。園長の宋美虎(ソン・ミホ)先生からお聞きした話では、かつてこの施設から147名の方々が日本に帰国されたそうです。ただ、皆さんご高齢となり、この35年間は帰国した方はおられず、終の棲家としての役割が高くなっています。日本人学校の子どもたちの発表を見るために、日本人女性だけでなく、同じ敷地内にある施設で生活している韓国人高齢者の皆さん、そのお世話をしているスタッフの皆さんが会場の席が足りなくなるほど集まってくださいました。

また、芙蓉会釜山本部の國田房子会長も例年通り、東采(トンネ)のご自宅から応援に駆けつけてくださいました。芙蓉会とは、太平洋戦争前後に朝鮮人男性と結婚し、朝鮮(韓国)に移り住んだ日本人女性の皆さんの会です。今年104歳の國田房子さんは、数十年間、会長として芙蓉会釜山本部を引っ張っておられます。その傍ら、日本人学校の入学式・運動会・バザー・新年お楽しみ会・卒業式には必ず足を運んでくださいます。子どもたちにとっては、韓国の偉大なハルモニ(おばあさん)です。1944年に玄界灘を越えて韓国に渡られて以降多くの苦労に遭遇されたはずです。でも、その中で7人のお子さんの子育てに加え、韓国内の家族も友達もいない日本人女性を探しては支援してこられました。私たち教職員や子どもたちにもいつも満面の笑みで接してくださいます。そのお人柄、スケールの大きさには圧倒させられます。今回も、ナザレ園に暮らす旧知の皆さんと久しぶりの再会を喜びながら、子どもたちの発表にエールを送ってくださいました。

現在、釜山日本人学校では、日韓両方を行き来しながら仕事される保護者が増え、当たり前のように同じ教室で、日本国籍・二重国籍・韓国籍の子どもたちが学んでいます。この子どもたちが、更に日韓の架け橋となるようとの思いが強まるナザレ園訪問でした。

2018年06月25日

高校説明会のお礼

今週月曜日(6月11日)、宮城学院中高等学校国際教育アドバイザーと日本航空高等学校理事長補佐を務めておられる清水雅巳氏にお越しいただきました。中学部生徒と小中の保護者の皆様に、高校側からの求める生徒像等についてお話しいただきました。

講演後、私にとりましても懐かしく貴重なお話を多々うかがうことができました。清水氏がニューヨーク勤務時代のお話、大学の入試室勤務時代のお話、「旅と空想の美術館」そして現在の海外を駆け巡る中でのエピソード等々、時間が過ぎるのを忘れるほどでした。

本来日本にいったん帰国されるべき貴重な時間を、本校のためにおつかいいただき感謝申しあげます

2018年06月14日

DENSO様へのお礼

本日(5月31日)、小学部29名はDENSO様の馬山工場を見学させていただきました。

馬山工場は、釜山広域市の西のチャンウォン市にあります。釜山日本人学校がある広安里海岸から、車で1時間半ほどの距離です。

今回は、お忙しい中に、柳生浩志社長様、柏木裕之副社長様はじめ多くの社員の皆様に子どもたちの工場見学に対応いただきました。さらに、DENSO様バスによる送迎、社員食堂での昼食等、子どもたちにとっては非日常的な体験を数多く準備していただきました。帰る時間になっても、手を挙げ続ける子どもたちの姿が印象的でした。

子どもたちの様子は、後日写真とともに掲載させていただく予定です。

貴重な機会を提供いただいたDENSO様に、心から感謝申し上げます。

2018年05月31日

文化交流会

本日(5月18日)、本校にて文化交流会が開催されました。この文化交流会は、民楽小学校、Busan   International Foreign School(BIFS)と本校の3校で行われるパフォーマンスやアクティビティを通しての異文化交流体験です。毎年、この3校で会場持ち回りで開催しており、本年度が日本人学校、来年度はBIFSとなります。スクールイヤーのスタートが、民楽小学校は3月、本校は4月、BIFSは8月ですので、日程調整がけっこう難しい行事です。

BIFSのケビン・スミス小学部校長によりますと、もともとこの交流は1991年に、BIFSと日本人学校の2校で始まり、途中から民楽小学校も加わり、現在の3校での交流会となったそうです。その当時スミス校長は、1回目の釜山校勤務で、当時のBIFSはタルマジキルにあり、日本人学校より小さい学校だったそうです。

一方、民楽小学校のジョン・ムンス校長によりますと、ジョン校長にとりましては今回が4回目の文化交流会となるそうです。韓国の学校の人事異動を考えると、今回が最後の文化交流会参加となりそうとのことで、感慨深げにパフォーマンスを観ておられる姿が印象的でした。民楽小学校は、本校の運動会の会場としてお世話になっています。運動会での交流も楽しみです。

日本人社会だけでなく、韓国社会や国際社会から釜山日本人学校を特別な思いで見守っておられる皆様の存在を感じた文化交流会でした。

2018年05月18日

慶州ナザレ園

先週末の土曜日(平成30年5月12日)、例年6月下旬に計画しているナザレ園訪問の準備及び安全確認のために、数名の職員とともに慶州方面を訪れました。

当日子どもたちが見学予定の仏国寺、訪問予定のナザレ園に加えて、ナザレ園納骨堂にも慰霊に訪れました。ナザレ園納骨堂は、慶州中心部から40分ほどの港町、甘浦(カンポ)に位置します。学校全体での訪問の際は、遠方で納骨堂直前の道がよくないため、子どもたちは訪問しません。納骨堂の存在を示す道路上の表示等はまったくなく、個人ではなかなかたどり着けない場所です。

日本人学校に赴任したばかりの教員には、ここを訪れ、日韓の歴史の変遷を肌で感じてもらうようにしています。お墓からは日本海(東海)が臨まれ、その向こうは日本へと続いています。この地で人生を終えた皆さんの想いをしのびながら正面の石碑を見ると、言葉に詰まってしまいます。

先生たちにはこの思いを胸に秘めながら、当日に向けた準備と子どもたちへの働きかけを期待しています。

2018年05月14日