まもなく墓参りや祖先を祭る秋夕休みの時期を迎えます。この釜山にも日本人のお墓があります。地下鉄1号線を北上しポモサ駅で降り,坂道を10分弱歩くと釜山市立公園墓地に着きます。そのなかに日本人慰霊碑が建てられています。日本人学校からですと,公共交通機関を乗り継いで1時間弱で到着できます。終戦後,釜山各地に残された日本人の遺骨などを,当時の釜山市長の人道的配慮から一か所に集めてくださったそうです。その後さらに現在の場所に移していただいています。
今年は9月20日,在韓日本婦人芙蓉会釜山本部会長 國田房子様のお世話のもと,在釜山日本国総領事 道上尚史様,釜山日本人会会長 實山秀明様ら関係者が参列し慰霊の行事が行われ,学校を代表して参列しました。
日本人慰霊碑をお参りした後,その向かいの太平洋戦争戦没者慰霊碑をお参りし,公園墓地の東側に歩きました。そこには,韓国人留学生 李秀賢(イ・スヒョン)さんのお墓がありました。釜山出身で日本に留学していた李秀賢さんは2001年,駅のホームから転落した日本人を救おうとして,27歳という若さでお亡くなりになりました。今まで遠い存在でしかなかった李秀賢さんでしたが,お墓の前に立つと,改めてその崇高な行為への敬意と感謝の気持ちが湧いてきます。また,自慢の息子さんを失った親御さんのお気持ちを考えると,辛い思いも抑えられませんでした。
釜山市立公園墓地を訪れると,日韓先人のご苦労や崇高な行為の軌跡に触れることができます。ご家族で訪れていただければと思った場所のひとつです。