慶州ナザレ園

先週末の金曜日(6月23日)、子どもたち(29名)とともに、慶州(キョンジュ)のナザレ園を訪問しました。慶州は釜山日本人学校から高速道路を利用して約1時間30分、日本の奈良・京都にあたる古い都で、新羅王朝の都があったところです。2000年には、ユネスコ世界遺産に登録されています。その慶州の街の東側に、ナザレ園があります。

ナザレ園は、太平洋戦争や朝鮮戦争の混乱のなかで、日本への帰国の機会を失った日本人女性を保護・支援するためにつくられた施設です。園長の宋美虎(ソン・ミホ)先生からお聞きした話では、かつてこの施設から147名の方々が日本に帰国されたそうです。ただ、皆さんご高齢となり、この34年間は帰国した方はおられず、終の棲家としての役割が高くなっています。

お昼のお祈りの時間をいつもより早めていただき、午後2時からの発表会開始でした。客席は、日本人女性だけでなく、同じ敷地内にある施設で生活している韓国人高齢者の皆さん、そのお世話をしているスタッフの皆さんで満員です。小学部・中学部の子どもたちが、それぞれ出し物を披露した後、子どもたちがおばあさん方の近くに行き、手遊び交流を行いました。嬉しそうに歌に合わせて手や身体を動かしてくださる方、子どもの手を取って離さない方、子どもとのおしゃべりに夢中になっている方等々、密度の高い幸せな空気に包まれた時間でした。

最後に、子どもたち全員で韓国童謡「コヒャンエポム」と日本唱歌「ふるさと」を合唱しました。日韓両方のおばあさん方がいっしょに歌われる姿、涙をぬぐわれる姿に、歴史は過去ではなく現在そのものだと感じさせられました。また、子どもたちの持つエネルギーと可能性が、固定概念や未来を変えうると実感させられた瞬間でもありました。

貴重な機会を与えてくださったナザレ園長宋美虎先生はじめ入居者の皆様、スタッフの皆様に心から感謝申し上げます。

2017年06月26日