東京学芸大学生来校

今週の月曜日(9月3日)、東京学芸大学多文化共生コースの大学2年生6人が本校を訪れました。1時間目に本校概要等の説明を受けた後、2時間目から4時間目の授業に入り、そして昼食の時間まで、子どもたちと過ごしてくれました。以下は、学生さん達からいただいた感想等の一部です。近い将来、日本国内そして在外教育施設で活躍されるようになったとき、釜山日本人学校での経験が役立てば幸いです。

 

Aさん

少人数ならではのよさがたくさん感じられた見学でした。生徒も先生も全校生徒の顔と名前を知っていて、誕生日の子がいるクラスに全員で行ってお祝いしたり、すれ違った先生が学年関係なく生徒に声をかけていたりしたのが印象的でした。授業でも、日本の小学校よりも学級の人数が少なく一人あたりに目を向けられる時間が長いのがいいなと思いました。一方で、少人数ならではの大変さも感じました。先生方は空きコマなく授業をされていて、その合間に宿題のチェックや事務作業をされていて、とても忙しそうでした。

大規模日本人学校と違い、現地校との交流や、総合的な学習の時間を用いての韓国語の授業が、日本人学校の良さを活かしていてせっかく韓国に来ているならという保護者の意向に学校側が叶えられているのが良いなと感じました。

 

Bさん

音楽の授業で和太鼓を取り入れてることが、少人数ならでは。和太鼓は楽譜がないため、前年の子が指導の中心となっていた。和太鼓の「鼓動」が佐渡にあり、彼らのVTRはYouTube等でみれるため、ぜひ一度生徒達にみてほしい。校門の開閉など、セキュリティがしっかりしている。ただ、他校ほどではないと感じた。他校では警備員常在であり、また狙われないためにスクールバスの時間を不定期にしていた。給食は無く、基本お弁当だと知った。親と先生との距離も近く、生徒の発達を見守る上でとてもいい。釜山日本人学校は、他の現地校との交流があったりして、現地の子供達との関わりがある。

生徒1人当たりに対しての頭数は充分かもしれないが、業務に対して先生の数があまりにも少ない。頭数を増やすか、業務を縮小するかしなければならない。韓国のみならず、世界にある日本人学校で言えることだが、日本人学校の学費をもっと安くしたい。ダイアンドモンドブリッジにも近く、立地が最高。誕生日を全校生徒で祝う習慣や、生徒の出身地ボードなど、少人数を生かした企画が多く、全校生徒皆の繋がりが強いのがいいと思った。アットホームな空気感。

(○○ちゃんの先生へ:素敵なプログラムを組んでいただき、ありがとうございます。貴重な機会となり、この経験や感じたことを、次に繋げていけるよう努めます。これは、現地にいらっしゃる、○○ちゃんや先生のご協力なしには経験できません。本当にありがとうございます。私も、もっと人とのつながりを大切に生きたいと強く感じました。また、釜山に来たいと思います。)

 

Cさん

実際に授業を見学して、日本の公立学校との違いなどを発見できたのは非常に貴重な経験でした。ありがとうございました。その違いの中で、特に印象的だったのは、少人数を活かした教育でした。私は、英語(中1)と国語(小3)の授業に入りましたが、どちらも生徒一人ひとりに発表や意見表明の機会があり、さらにその意見一つ一つを先生が拾うことができていて、少人数ならではで素晴らしいと思いました。しかし、少人数故に大勢の前に立って発表するという機会はあまりなく、それを補うために英語の暗唱発表があると伺いました。ほとんどの生徒が日本に帰国するということで、日本の公立学校に戻った時も想定されていて良いと思いました。こういった少人数制は、先生の負担が大きいとは思いますが、個々の生徒をフォローするという点では、今後日本で教師になる上で参考にしたいです。

また、生徒の英語のレベルが日本の同学年のそれよりもかなり高く驚きましたが、その差が生じる要因などを探求してみたいと思いました。そういった高い英語レベル、外国に住んでいるということを強みに生徒たちは今後の人生を生きていけるのではないかと改めて思いました。

 

Dさん

大規模日本人学校に行ったことがある。もちろん現地語の授業が週一回あるとか、現地校との交流はあるものの、かなり閉鎖的な空間であったし、日本よりも日本らしい学校であった。一方、釜山日本人学校は少人数であるので柔軟性があり、対外的な交流、釜山にあるという特性を生かした交流が多くあると伺った。確かに、職員室への入り方など、かなり日本らしいと感じる点もあったが、日本における先生と児童生徒間の距離のある雰囲気が一切なく、アットホームな雰囲気だった。日本人学校は児童生徒の出入りが激しいが、私たちをすぐに歓迎してくれたように、新しい児童生徒が来ても安心して通える環境であると感じた。

もちろん先生の数も少人数であるのでかなり負担が大きいのは感じた。専門外の教科の指導を始めとして、最大で3年しかいられないので慣れる前に異動になってしまう、また、道徳などの教科もあるため、授業準備の時間や課外活動の準備など、かなり忙しそうであった。今回、道徳の授業も参加させていただいたのだが、よく知った先生、友達とやるからか、児童に若干の気恥ずかしさが見られた。少人数の教室では学べないことも題材として取り上げなければいけないので、なかなか授業構成も大変だと感じた。私は1学年100人以上いる学校でしか過ごしたことがないので、1学年数人しかいない日本にある小規模校の実態についても興味をもった。

 

Eさん

今回訪れたプサン日本人学校は、以前行かせて頂いたアジアの補習授業校に似たものを感じた。どちらも小中一貫で全校生徒は40名前後、教師の数が足りていないという共通の課題もあった。この補習授業校では、その課題への対策として、親が教師となり、個人で製作した教科書を用いて勉強しており、日本の公立校におけるPTAが大きく学校の運営に干渉しているという状況だった。ただ、日本人学校は一条校に準ずる扱いの学校であるため、教科書は検定済みのものでないといけないし、教師は教員免許が必須なので、教員不足を保護者で補うことは出来ない。

そのため、教師をより募集する他にその問題を解決する方法はないと考えられる。日本国内でも教員不足が問題視されている今、文部科学省が行っている、大学の教員養成課程の削減は行われるべきではないと考えた。

この問題は、国の財政面において、教育界のみの問題ではないだろう。教育面にかける費用を減らすことには反対だ、と今回改めて思ったし、現地の教員不足は想像以上に深刻であるとわかった。

 

Fさん

・私にとっても貴重な体験となりました。

・日本人学校を目指して、教員免許の取得に頑張りたいと思いました。

2018年09月06日